パティッチャサムッパーダ(十二因縁:縁起)の回転:最初から
気づきが無い瞑想者はただの現象であるルーパランマナとチャックヴィンニャーナ(視覚対象と眼門)の生滅を対象にして瞑想することができません。同様に耳識、鼻識、舌識、身識、意識の生滅を観察し、瞑想することに失敗すればパティッチャサムッパーダ(十二因縁:縁起)の鎖は最初、すなわちアヴィッジャー(無明)から回転を始めます。アヴィッジャー(無明)に覆われた人はあらゆる種類のサンカーラ(行)、カーヤサンカーラ(身業)、ヴァチーサンカーラ(語行)、マノーサンカーラ(心行)をしでかします。「アヴィッジャーパッチャヤー サンカーラン サンカーラ パッチャヤー ヴィンニャーナン ヴィンニャーナ パッチャヤー ナーマルーパン(無明を原因として行が生じる、行を原因として識が生じる、識を原因として名色が生じる)」これはパンチャカンダ(五蘊)を得ることをほのめかしています。
ですから瞑想者が何か別のことに忙しくなり、生滅を対象にした瞑想をなまけたり、瞑想しそこなったりすればアヴィッジャー(無明)を起点としてパティッチャサムッパーダ(十二因縁)の過程ないし連鎖が始まります。これはミッチャーパティパダー(誤った道)であり、ヴィンニャーナ(識)、ナーマルーパ(名色)、サラーヤタナ(六処)、パッサ(触)、ヴェーダナー(受)タンハー(渇愛)、ウパーダーナ(取)、カンマバヴァ(業有)の八つの要素が常にはびこります。図を参照ください。この八つの要素はサッチャ(真理)の観点からみると、サムダヤサッチャ(集諦)、ドゥッカサッチャ(苦諦)に分類されます。サムダヤ(集)は火で、カンダ(蘊)は燃料です。輪廻という列車の全体を通じてついてまわるのは火と燃料の組み合わせです。火力が衰えると燃料がまた補充されます。輪廻の中で、ほんのわずかでも煩悩の火を消そうと思い立ち、努力を重ねる生命はほとんどいません。これは明白な事実です。
現世で強いサッダー(心)と十分な知識を合わせ持った人々は燃料の補給を断って火を消す努力を始めるべく決断するべきです。